DebianでCOBOLを使う
DebianでCOBOLを使う
COBOLとは
COBOL(Common Business-Oriented Language)は、
1959年に開発された業務用プログラミング言語で、
主に企業の会計、給与、在庫管理などの事務処理に特化している。
英語に近い文法を持つのが特徴で、非技術者でも理解しやすいよう設計されている。
大量のデータを扱う事務処理に最適化されており、銀行、保険、政府機関などで広く使われている。
COBOLで書かれたシステムは数十年にわたり運用されており、現在でも多くの基幹業務で稼働中。
帳票やバッチ処理に強く、メインフレーム環境での運用に適している。
レガシーシステムの保守・運用に不可欠な存在。COBOL技術者の需要は根強い。
COBOLの多くはメインフレームで使用されているが
パソコンでも使えるCOBOLはいくつかある。
多くは有償であるが無料で使えるGnuCOBOLをここでは使ってみる。
GnuCOBOLの概要
日本人エンジニア・西田圭介氏によってOpenCOBOLとして2002年に開発開始。
COBOLコードをC言語に変換し、GCC(GNU Compiler Collection)でコンパイル・実行。
2013年にGNUプロジェクトに正式採用され、GnuCOBOLに名称変更。
Windows、Linux、macOSなど、メインフレームに依存しないオープン環境で動作する。
GnuCOBOLのインストール
まず、C言語の環境をインストールしておく。
# apt install gcc make libc-dev libc6-dev
GnuCOBOLのソースコードをダウンロードする。
ダウンロードサイト(https://www.osscons.jp/osscobol/download/)の最新版ダウンロードのところから
最新のソースをダウンロードする。
ここではopensource COBOL v1.5.2J UTF-8 対応版 を使う。
opensourcecobol4j-1.0.1.zip
などというファイル名になっているはず。
zipを展開する。
# unzip opensourcecobol4j-1.0.1.zip
tar.gz であった場合は tar zxvf で展開する。
コンパイルとインストールを行う。
# cd opensourcecobol4j-1.0.1/ # apt install libgmp3-dev libdb5.3-dev libncurses-dev # ./configure # make # make install
実行時にCOBOLのライブラリを読み込むように設定する。
# vi /etc/ld.so.conf.d/cobol.conf
以下の内容を書き込んで保存する。
/usr/local/lib
ldconfigを実行する。
# ldconfig
COBOLコンパイラのcobcが使えるようになっているか確認する。
$ cobc -V
バージョン表示がされればOK
COBOLプログラムのコンパイルと実行
HELLOCOBOL.cob という以下の内容のCOBOLプログラムファイルを作成する。
identification division. program-id. hello-cobol. environment division. data division. procedure division. display "Hello, COBOL!". stop run.
先頭に7文字のスペースを必ず入れること。
コンパイルして実行してみる。
$ cobc -x HELLOCOBOL.cob $ ./HELLOCOBOL
Hello, COBOL! と表示されれば成功。
VSCodeにCOBOL拡張を入れる
VSCodeに拡張機能の「COBOL Source editing for Visual Studio Code」を入れておくと
コードの補完をしてくれて便利。
以上。